水
16
2月
2011
朝起きてわかった
結局、林くんは熱い男だったんだって…
昨夜は林くんと潤子ちゃんがうちに飲みに来た
「林くんが京子さんのブログを読んでね、会ってみたいって言ってるの」10年来の友人の潤子ちゃんから連絡が来た
常々、潤子ちゃんの感性のすばらしさには頭が下がる思いだったから、そのパートナーの林くんはいったいどんな人なんだろうと私も興味津々だった
夜も更け、いい感じで酔いがまわってくる…
「林くんの伝えたいことって何?」
「俺の伝えたいことは全部このバンドが言ってくれている」って、林くんは「世界の終わり」というバンドの曲をかけてくれた
軽快な音にのって、心にグッとくる言葉ばかりが耳に入ってきた
「世界の終わり」という魅惑的な名前のバンド
確かに素敵だった…
泣けてきた…
「あ、京子さんが林マジックにかかった(笑)」泣いている私を見て、潤子ちゃんがそっと言った
だけど、私は少し腹が立っていた
「この曲は素敵だよ。実はみんなこんな気持ちなんだと思うよ。でもね、私は林くんの言葉で語ってほしいの」
「いや、僕の気持ちは全部この曲にある。全部語ってくれている人がいる限り自分が語る必要はない」
私はさっきから林くんのクールさに腹が立っていた
私の単細胞の脳みそよりも、少し賢そうなところも気にくわなかった
「私は今、林くんと出会ってるのに、なんで‘’世界の終わり‘’を通して林くんの内面と出会わなきゃいけないの?」
私はワイン一本空ける勢いで、結構酔っていた。
さらに、しつこく食い下がる
「真理って、多分ただただシンプルなものなんだと思う。うちのトイレにOSHO
(インドのグル)の本があるけど、彼の言葉はどれ読んでもただ唯一ひとつのことを言ってるんだっていつも思うんだ。
彼は生きてるうちにその唯一ひとつの真理を、何千通りの言葉で語り続けて、彼の本は何千冊も世界中に出版されている。
だからね、‘’僕の真理はこの曲にあります‘’って言われても、納得できないよ。私は林くんの言葉で、林くんの表現でそれを聞きたいの」
私はワインのボトルを例にとり出して、さらに熱弁を続ける
「このボトルが真理だとしたら、私から見えている部分はここで、潤子ちゃんから見えてい真理は別の部分で、林くんとかりんちゃんに見えている部分はまた違うんだよ。だから私はあなたの言葉で真理を聞きたいの」
もうこうなると酔ってしつこくからむオヤジだ
林くんは言った
「今、俺が何か言っても京子さんの納得する言い方はできないよ。それは恋愛も同じなんだよ。」
んん…恋愛?
なんでこの流れで、急に恋愛になるんだ?!
酔った頭で頑張って考えてみる
あ~なんか彼が言ってることが理解してきたぞ…
私は酔っていたし、確かに熱くなっていた
“もっとあなたを知りたいの
本当のことを知りたいの。だからに私に話して”
前のパートナーに、私は言い続けたっけ…
自分の欲しい答えが相手から返ってこないと
“あなたの言っていることはわからない”と、自分の欲しい言葉でないものは全く受け取れないんだ
こんなやりとりを何回も何回も繰り返した
私のなにかを、クールに林くんに見抜かれたようで、ちょっと悔しく恥ずかしった
それでも私は熱く言い返す
「分かるけど…私は林くんの言葉が欲しいの。私は100%林くんを理解できないと思うし、人は人のことを100%理解することはできなくても、それでも私は人を知りたいんだ」
次の朝かりんちゃんが
「きょうちゃんてさ~、本当熱いよね!私さ、きょうちゃんが林くんに恋しちゃったのかと思ってドキドキしながら見てたよ」
「そうかもね、私にはそのつもりはないけど、回りにはそう見えるかもね。確かにああいう時、私は熱いよね。」
それでも昨夜の思いはうそじゃないし、必要以上に熱くしつこくせまったのも事実
そして、それをクールにかわす賢さが林くんにはあった
彼はそうやって、親や恋人をかわして生きてきたのかもしれないと思った
私は何かを期待して、欲しい答えだけを相手から求め続けてきたのかもしれないと思った
昨夜、私は自分だけが熱くなって、林くんのクールさが気にくわなかったけど
結局、彼も相当熱い男だって、朝になって思ったんだ